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私の留学体験記 (モナッシュ大学マレーシア校|木内仁子さん)

今回の留学体験記は、人気No.1のモナッシュ大学マレーシア校(Monash University Malaysia)で、社会科学を学ぶ木内仁子さんです。
木内さんは、高校受験をするタイミングで「海外の大学に進もう」と決意し、その後、高校2年生の終わりにマレーシアの大学に進学することを決意しました。
それからIELTSの勉強を進め、そして「自分が何を学びたいのか?」ということに真剣に向き合い、社会科学が学べるモナッシュ大学を選ぶに至りました。
木内さんは、モナッシュ大学のファウンデーションコースであるMUFYを経由して学士課程に進み、現在は大学の1年生です。
そんな木内さんの留学体験記、どうぞご覧ください。
(Go for it ブログ編集部)

入学した大学

執筆者の基本情報
氏名 | 木内仁子 |
---|---|
性別 | 女子 |
出身高校の所在県 (または地方) | 兵庫県 |
公立/私立 | 公立 |
高校の最終成績(GPA) | 3.9 / 5.0 |
出願時のIELTSスコア | 5.5 |
進学した大学 | モナッシュ大学マレーシア校 |
在籍する学年 | Year 1 |
学部・専攻 | 社会科学部 Bachelor of Arts and Social Sciences |
ファウンデーションコース経由か? | はい |
英語強化コース経由か? | いいえ |
高校時代に頑張ったこと、打ち込んだこと
中学生の頃から劇団に所属していたため、劇団での演劇活動に打ち込んでいました。
しかし、コロナの影響でオンラインでの活動が中心となってしまい、あまり満足のいく課外活動はできなかったと感じています。
一方でオンライン故のメリットとして、全国の人と交流しながら活動できたことがあり、即興劇の大会で全国各地のあらゆる年代の方と競って優勝した経験などがあります。
劇団での経験は現在の留学生活において、大学内の演劇部(Performing Arts Club)での活動や、日本語の発声や活舌が良いことから、ローカル(マレーシア)の友人やほかの国からの留学生に日本語を教える際に、わかりやすい発音を教えられることに役立っています。
また、学習の面では、母校は国内の大学進学向けの学校であったため、IELTSなどの海外受験対策は独学で行いました。
高校時代の私は負けず嫌いの精神があったので、英語以外の科目の勉強も行い日本の大学も受験しました。日本とマレーシア2ヶ国の大学進学プロセスを比べられたのは良い経験になったと思います。
いつから、なぜマレーシアを考え始めたか?
高校受験時に、「大学は海外に行こう」と考え始めました。
それまでに海外に行った経験や地元を離れた経験が全くなく、とにかく遠くへ行くことに漠然とした憧れや夢のような感覚を抱いていました。
当初はアメリカやイギリスなどを目標にしていましたが、費用が高いことや、特別な魅力を感じる大学が見つからなかったことから、高校2年生の半ば頃から費用の安い国での進学を検討し始めました。
その際に候補として挙がった国の中でマレーシアが常夏であることに魅力を感じ、マレーシアの大学を目指しました。
私は日照不足になると気分が落ち込みやすい体質を持っているので、常夏で年中日差しの明るいマレーシアでの生活が初めてのひとり暮らし、海外生活を過ごしやすくするだろうと考えました。
IELTSスコアを上げる苦労と具体的な勉強法は?
マレーシアの大学への進学を目指すと本格的に決めたのは、高校2年の終わり頃でした。進学先の国を決めたことから、進学に必要な検定がIELTSに確定したため、その頃から本格的なIELTSの受験が始まりました。
初めての受験は高校3年の4月だったのですが、緊張から思ったような手応えを得られずに帰りの駅のトイレにこもって泣いた記憶があります(笑)
それ以前も英語の勉強はずっとしていましたが、それ以降は特にIELTSの対策という面に力を入れるようになりました。
具体的には、市販のIELTS対策専用単語帳と練習問題集、インターネット上の練習問題やYouTubeに上がっているリスニング、スピーキングの練習問題を利用しました。
高校の門が開く時間に登校して朝の教室で単語帳や問題集を解き、インターネット上の練習問題は、私の通っていた高校はスマホやタブレット、パソコン等のデジタルデバイスは禁止であったので、休日に自宅で解いていました。
なぜその大学と専攻を選んだのか?

まず初めに社会科学を専攻したいという思いがありました。
きっかけは、とにかく留学がしたいと思って留学先の国をリサーチしていく中で、それぞれの国がそれぞれの社会の特徴を持っていることが面白いと感じたことでした。
それまで自分の国や地元から出たことがなく、世界に目を向けたことが全くなかったため、外国や世界全体といった場の社会というものがとても新鮮で興味深いと感じました。
マレーシアの大学は社会科学を学べる大学があまりなかったので、大学選びは特別悩むことなく、ほぼ自然にモナッシュ大学に決まりました。
どこでもよかったのでこだわりなく決めた大学でしたが、通ってみた現在としては、立地がかなり生活しやすい場所であることや周りの学生の気質も自分に合っていると感じることから、とても良い大学を選べたと思っています。
入学前と入学後の印象のギャップはあったか?
入学前は海外といえばというステレオタイプなイメージから、陽気で押しの強い、いわゆる“パリピ”のような人が多いのかと思っていました。
しかし、入学してみると人柄の分布の割合がかなり日本の中学や高校に似ているように思えました。むしろ、モナッシュ大学は大学のランキングの高さや学習レベルを売りにしているため勉強熱心なタイプが多く、時間の使い方や遊び方のノリが周りと合わないといったことは起きませんでした。
どちらかというと私は昔から真面目で大人しく、オタクやガリ勉のようなタイプの人と仲良くなりがちだったのですが、マレーシアでもそれは変わらず、気性の穏やかでオタク趣味のあるような友人が多いです。
一方で、マレーシアで仲良くなった日本人は、日本だと交流が深くなかったタイプの人が多いと感じます。
留学生活において日本人との交流は避けるべきだと考える人も多いとは思いますし、私も入学前はそう思っていたのですが、現在大学内の日本人コミュニティの副代表となり、さまざまな日本人と知り合うチャンスを多く持った結果、むしろ日本人との交流もまた留学生活から受けられる刺激の一環であると考えるようになりました。
日本人たちは私にとって同じ国出身の留学生活における心強い仲間なので、助け合うことも多く、交流に不快感がないどころか、日本では仲良くならなかったような人たちとの仲が深まることは新鮮で、留学しないと得られなかった経験であると思っています。
セメスター留学や海外大編入を考えているか?
留学や編入はせず、3年間モナッシュ大学マレーシア校に通う予定です。
理由としては、他の国での生活は金銭面で厳しそうであること、飛行機が苦手なのでマレーシアより遠い国に行くにはフライトに耐えられないこと、そして何よりも私はかなりマレーシアを気に入っているので、3年間思い切りマレーシアを楽しみたいということがあります。
大学留学がスタートしてから自分は成長したか?
大学進学や海外進学というのは、これまでの人生の経験の中でもあらゆる面で大きな変化が多く、そのおかげでかなりたくさんの成長ができたと感じています。
中でも特に自分にとって自信となったこと、留学ならではの成長だと感じることは、自分に対してこれからどこでも生きていけるだろうという信頼を得たことです。
生まれ育った場所とは言葉も文化も気候も違った環境において一人で暮らしを成立させていくというのはとてもハードではありましたが、目に映るもの、耳に入るもの、肌で感じるものなど、全てが自分にとって慣れているものと異なる場所が日に日に自分の居場所と思えるようになっていく感覚がとても印象に残っています。
この先の人生、住む場所や所属するコミュニティなど、あらゆる面での居場所の変化が何度も起きるとは思います。
ですが、マレーシアという環境を居場所にできた自分は慣れない環境に適応することのできる人間なのだろうから、きっとどこへ行ったって大丈夫だろうと思います。
大学生活が終わるまでに、どういう自分になりたいか?
具体的なビジョンを達成するというよりも、むしろ全く想像できないような自分になっていたいです。
ここまでの留学生活で私は、自分の思っていた自分の枠からかなりはみ出た自分になったと感じていて、そんな自分をかなり気に入っています。
なので、もっとそのような、想像とは違ったベクトルの変化をしていきたいです。
将来は、どこの国でどういう仕事をしたい?
もしかするとこれからの大学生活を通して考えが変わっていくかもしれませんが、現段階では将来は日本に帰って仕事をしたいと考えています。
英語での生活や海外での大学生活というものは、仕事やビジネスに持ち込まず、学生時代の楽しい思い出のままとっておきたいと考えています。
同様の理由から、職種も特に専攻とは関係のない業界に行けたらいいなと思っています。
もともと、勉強を将来に生かしたいというよりも、今の自分の興味を追求する趣味として大学に通いたいという考えで進学したので、大学を仕事に繋げたいとはほとんど考えていません。
実際にマレーシアで生活した率直な感想

もはや、地元と認識できる場所の規模がアジアにまで広がりました。
確かに日本とは大きく異なる環境ではあるものの、しっくりとくる生活ができていると感じます。
マレーシアに住む人たちの大らかな気質から来るウェルカム感から、“自分を受け入れてもらえている”という実感が強くあるので、自分の居場所としての感覚が持てました。
過ごしていくにあたって安心感があり、メンタル面での居心地は生まれ育った場所と変わらないような気さえして、しっくりくるのです。
なので、もう“アジアって地元だな”と思っています。
マレーシア大学留学は後輩諸君にお勧めできるか?
ぜひおすすめしたいです!
人によって向き不向きがあるという意見も多いですが、それを受けて「自分は向いてないかも」と思うのはもったいない気がします。
というのも、私は過去の自分を振り返れば、全くマレーシアらしくない人間だったと思うからです。
マレーシアで過ごす人たちの「寛容で楽天的な雰囲気」とは反対に、何事も心配性でセカセカとしており、自分の中のこだわりに対する焦りや強迫観念を持った人間でした。
しかしそんな私も、先述のようなマレーシアのウェルカムな雰囲気に包まれた結果、ゆったりとした心を持てるようになったのです。
過去の私のように漠然とどこかへ行きたいと思っている人がいれば、ぜひマレーシアへ来てみてほしいです。
以上