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【完全ガイド】マレーシアの大学留学に欠かせない学生ビザ取得までの手順を徹底解説

マレーシアは、英語での教育環境と比較的安価な学費で注目されつつある大学留学の国となっています。
留学を開始するための最初の関門は大学から「合格通知」をもらうことですが、次の関門が「学生ビザの取得」です。
マレーシア留学をする多くの新規留学生は、日本からクアラルンプール国際空港(KLIA)を目指して渡航することになりますが、空港に到着してからもやらなければならないタスクがあるので、入国の時点から少しややこしいのです。
そこで今回は、マレーシアの大学留学では誰もが避けて通れない「学生ビザ取得」までの一連の流れを、丁寧に解説してみたいと思います!
学生ビザ取得までの全体像(総論)
マレーシアで大学生ビザを取得するには、日本国内でビザ申請のプロセスを開始し、マレーシアに到着してから学生ビザを手にするまで、おおよそ4〜6ヶ月ほどかかります。
まずは日本にいる時点でやるべきタスクが多いのですが、マレーシア入国に必要なシングル・エントリー・ビザ(SEV)を取得するまで通常2~3ヶ月程度かかります。書類の不備や審査の遅延により、さらに時間がかかるケースも珍しくありません。
そのため、入学日から遡って最低でも4ヶ月前には大学への出願することが理想的です。例えば、7月入学を希望する場合は、3月中旬には出願を完了させておくのがいいでしょう。
さて、ビザの申請から取得までのプロセスは、大きく分けて「日本出国前」と「マレーシア入国後」の2段階に分かれ、以下の手順に従って進んでいきます。
日本出国前
- 志望大学へ出願
- 大学から合格通知(Offer Letter)を取得
- ビザ申請費用・医療保険料・デポジットの支払い、健康状態申告書の提出
- EMGS(Education Malaysia Global Services)サイトでビザ申請者情報を登録
- 申請ステータスが70%に達するまで待機
- シングルエントリービザ(SEV)を申請
マレーシア入国後
- クアラルンプール国際空港へ到着(ビザ関連書類はすべて印刷して持参)
- 空港のISAC(International Student Arrival Centre)カウンターにチェックイン
- イミグレーションでは「STUDENT」と示されたゲートに進んで入国審査
- 空港ピックアップ(お迎え)サービス予約していれば、大学スタッフが寮までお送り
- 登校初日または数日内に健康診断を受けて健診結果を大学に提出する
- 30〜45日後、学生ビザを無事に取得
学生ビザ申請から取得までの手順(各論)
さて、ここではビザ申請から取得までの各工程を詳細に解説いたします。
高校3年生の卒業成績が発行されたら、マレーシアのほとんどの大学で出願が可能です。オンライン出願をすることになりますので、Go for it と一緒に出願手続きを進めていきましょう。
<出願に必要な書類>
- 高校の卒業証明書(英語+日本語)
- 高校の成績証明書(英語+日本語)
- 英語能力証明(IELTS、TOEFLなど)
出願に必要な書類を提出して大学の審査を経ると、大学は合格通知(Offer Letter)を発行します。その後、「合格を承諾します」という返信(EmaliまたはPDFに署名)をする必要があるので、忘れずに行ってください。
「合格承諾の返信」をすると、いよいよビザ申請プロセスが動き出します。
大学からビザ申請費用、医療保険料、デポジット(保証金)の請求がありますので、忘れずに期限内に支払いを済ませてください。請求される項目は大学によって異なる場合があるので、請求されたものを漏れなく支払うようにしましょう。
また、EMGS指定フォーマットの「健康状態申告書(Health Declaration Form)」を提出する必要がありますので、同時に提出してください。

なお、医療保険に関しては、特定のエージェントは保険代理店となって20〜30万円もする高額な日本の保険会社の海外旅行医療保険を勧めてきますが、これはビザ申請に必須となる大学公認の保険とは異なり、親御さんの心配を煽ってそのエージェントが商売として勧めてくる追加の保険です。従いまして、ビザ取得のために必要な保険ではありません。“大怪我や大病がどうしても心配…”ということでしたら加入してもいいと思いますが、“必要のない高額な保険は無駄だった…”と後悔している多くの学生たちを目にしておりますので、しっかりと検討した上で購入するか否かを決定してください。
合格通知(Offer Letter)が届いて、ビザ申請料の支払いが終わったら、具体的なビザ申請に入ります。EMGS(マレーシア高等教育省の学生ビザ管理ポータル)でアカウントを新規登録し、申請者情報を登録します。このステップが最もつまずきやすいので、案内を丁寧に読みながら慎重に進めましょう。
- EMGSサイトにアクセス、またはアプリをダウンロードして、「Register」(既存アカウントがあれば「Log In」)をクリック
- 氏名、生年月日、パスポート番号などの情報を入力
- 証明写真やパスポートのスキャンデータをアップロード
<登録時の注意事項>
- パスポート有効期限:入学日から18ヶ月以上の残存期間があること
- パスポートスキャン:全ページの提出が必須
- 証明写真:白背景(縦5.0mm×横3.5mm)、眉毛が見えて表情が隠れない短めの清潔感のある髪型、服装は襟の付いた白シャツと紺ジャケットが好ましい
<EMGSサイトまたはアプリの機能>
- 各自のアカウント作成
- ビザ申請プロセス管理(進行スタータス確認)
- 必要書類のアップロード
- マレーシア到着後の必要タスク確認
- iKAD(学生身分証明書)の有効性検証
申請者情報の登録後、EMGSのサイトまたはアプリで申請進捗を確認できます。
ここでは、ステータスが「70%」に達するまで待つ必要があります。不備がある場合は黄色表示になるため、毎日確認することをおすすめします。所要期間は1~2ヶ月程度で70%(グリーン表示)になるまでの期間は個人差があります。

EMGSのビザ進捗状況が70%に達すると、「eVAL(ビザ取得事前承認書:VISA Approval Letter)」をダウンロードすることができ、大学生ビザ取得予定であることを前提とする「シングル・エントリー・ビザ(一次査証:Single Entry Visa)」の申請が可能となります。
<参考動画>How to get e-VAL on EMGS HUB app
ステータスが70%になると、シングルエントリービザ(SEV)の申請が可能になります。
シングルエントリービザ(SEV)とは、これは入国に必要な一時的ビザで、EMGSサイトの「Apply」ボタンからeVISAをオンライン発行することができます。
この段階でのビザは一度のマレーシア入国(シングルエントリー)を許可する「一次査証」であるため、まだ学生ビザではありません。学生ビザの申請・発行プロセスは、マレーシア入国後に進みます。
マレーシア入国管理局は、2023年12月1日から、マレーシアの空港に到着する国際線旅客に対し、デジタル入国カード(マレーシア・デジタル・アライバル・カード(MDAC))の登録を義務づけることとなりました。
留学生としてマレーシアに渡航する日本人学生もMDACの登録が必要です。
マレーシアの空港到着日時の72時間前から登録が可能ですので、忘れずに登録するよう気をつけてください。
▶︎Malaysia Digital Arrival Card 登録サイト
https://imigresen-online.imi.gov.my/mdac/main
▶︎在マレーシア日本国大使館(参考)
マレーシア入国時のデジタル入国カード登録
準備が整ったら、いよいよ飛行機でマレーシアへ出発します。フライトスケジュールは余裕を持って確認し、遅延や欠航に備えるようにしましょう。
新規の大学生として入国するには、基本的にクアラルンプール国際空港(KLIA)のターミナル1(JAL、ANA、マレーシア航空などフルキャリア)またはターミナル2(エアアジアなどLCC)から入国することが要求されます。クアラルンプール以外のジョホールバル、クチンなどにある大学の場合は、個別にご案内を差し上げています。
持参書類(手荷物必須)
以下の書類は、印刷して手荷物として持参が必要です。入国審査で必要となるため、スーツケースではなく手荷物で携行するようにしましょう。
- パスポート全ページのコピー
- 大学合格通知(Offer Letter)
- ビザ事前承認書(eVAL)
- シングルエントリービザ(SEV)書類
ISACカウンターに立ち寄る
クアラルンプール国際空港のターミナル1及びターミナル2、ジョホールバル・セナイ空港には、入国審査の手前にISAC(International Student Arrival Centre)のカウンターがあります。大学生は、必ずこのISACカウンターに立ち寄りチェックインをしてください。
<参考動画>International Student Arrival Centre (ISAC)
入国審査では「STUDENT」のゲートに向かう
入国時に、観光客用ゲートや自動ゲートを通るのは厳禁です。マレーシア到着後、入国審査の際は絶対に「STUDENT」表示のゲートに並んで入国審査を受けてください。もし間違えて「観光ビザ用ゲート」を通って入国してしまうと、学生ビザが発行されません。
空港職員が「Tourist line here!」などと案内してくることがありますが、しっかり「I’m a student. I need the student visa stamp」と伝えてください。
いくつかの大学では、初めて入国する留学生に対して車でのピックアップサービスを提供していることがあります。このピックアップサービスは事前予約制なので、大学からの案内に従って予約を済ませておくようにしてください。
空港到着後、WhatsApp(チャットアプリ)などで案内された連絡先にコンタクトし、空港ロビーで合流します。指示に従い、寮や宿泊先へ移動しましょう。
登校初日であるオリエンテーションウィークの冒頭に、大学から健康診断の案内があります。
健康診断はビザ申請のための必須要件で、渡航後7日以内に受診が必須です。病院やクリニックと日時は大学が指定し、血液検査、視力検査、尿検査などが行われます。
- 個人受診または留学生グループでの受診
- 所要時間は30分~4時間(混雑状況による)
グループ受診の時は他の留学生と交流する良い機会でもあるので、ここで友達を作っておくのもおすすめです。
その後、健康診断の結果書類を受け取り、大学の国際課(International Office)に提出します。
同時にパスポートを預けます。パスポートは約1か月後、学生ビザが貼付された状態で返却されます。この期間中は国外に出ることができないため、旅行などは計画に入れないように注意しましょう。
補足:病院で「EMGS Hub」アプリのインストールを求められる場合があります。事前にWi-Fi環境でダウンロードしておくと便利です。
大学の国際課にパスポートを預けてから30〜45日後にパスポート返却の連絡があり、パスポートには学生ビザのステッカーが貼付されています。これでビザ取得が正式に完了です。
後日、iKad(カードサイズの学生身分証明書)が発行されます。これは、パスポートの代わりに携行できる便利なIDとなり、学生ビザとiKADがあれば銀行口座の開設がができますので、マレーシアでの生活がかなりスムーズになります。
まとめ
今回は、マレーシアにおける学生ビザ取得プロセスを解説してみました。
手続きの流れ自体はそれほど複雑ではありませんが、各ステップごとにミスが生じがちな落とし穴があり、一度ミスをするとビザの遅延や入学時期の延期などにつながる恐れもありますので、1つ1つ確認しながら、無理のないスケジュールで早めに準備することを心掛けましょう。
